【幸せはあなたの心が決める】
いつも、同時並行で数冊の本を読む。
冒頭の言葉は、いま読んでいる中の一冊のタイトルである。
著者は、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さん。
人生の大先輩が書かれた内容を、私如き若輩者が評するなど僭越極まりないが、心から共感できることばかりである。
やさしく読みやすい文体や表現は、お人柄そのものなのだろう。
この本の帯に、次の一文が掲載されている。
「思い通りにいかない時こそ自分らしさを輝かせる道がある」
本当に、その通りである。
また、今朝、読んだ一節も、心から共感する。
「依頼心や甘えを捨てた時、力が生まれ、道が開ける。長く暗いトンネルを抜けた人だけが、抜けた時の喜びや明るさを知ることができる」
整体院にせよ、整体法講座にせよ、私が、整体の仕事を通じてみなさんに伝えたいことそのものである。
何度か、ここに書いたこともあるが、サラリーマン時代に、私はうつになった。
10年ほど、毎日「死にたい、消えてしまいたい」と思って過ごした。
まさに、出口の見えない真っ暗なトンネルを、一人で歩いているようだった。
誰にも、理解してもらえない。
それ以前に、誰にも明かすことができない。
だから、風呂の中で、よく一人で泣いていた。
眠れずに、睡眠薬や抗うつ剤を服用していた時期もある。
整体という仕事を見つけ、独立開業して、少し光が見えた。
しかし、またすぐにどん底に落ちた。
周囲の猛反対を押し切り、嘲笑をものともせず、意気揚々と突き進んだ道。
その厳しさは、想像を遥かに超えていた。
自分一人なら、何とでもなる。
そもそも自分で選んだのだから、その始末は自分でつけるべきだ。
しかし、家族を道連れにはできない。
多額の住宅ローン、子どもたちの教育や進学にかかる費用、日々の生活費。
それは、何としても用立てせねばならない。
しまいには、借金を借金で返すという、たいへん危険なスパイラルにはまった。
発狂しそうな毎日。
もう死ぬしかないと思ったことも、1度や2度ではない。
おかげで、サラリーマン時代には味わうことのなかった怖さ、苦しさ、辛さを経験することができた。
そのような中で学んだのが、冒頭の言葉であり、本の帯の一文であり、今朝読んだ一節である。
ただ、私はまだ55歳、鼻たれ小僧である。
私の経験した苦労など、ほんの微々たるものである。
だから、人さまに真理や人生を説こうとは、まったく思わない。
私はただ、自分の経験と、そこから得たこと、学んだことを伝えるだけである。
今日は、午後から整体法講座のプレセミナーを開催する。
整体師を目指そうとお考えの4名が、それぞれ長崎、福岡、広島、鳥取という遠方から、ご参加くださる。
たいへんにありがたいことである。
「整体師は、誰でもなれる。しかし、誰もがなれるというわけではない」
一見、矛盾するこの言葉。
その真意を伝えるとともに、どうすれば「幸せな整体師」になれるか、全身全霊を傾けて、お伝えをしたいと考えている。