「技術は道具である」

これは、私の講座の門下生、あるいはこれから整体師を目指す方に、繰り返しお伝えしていることのひとつです。

整体師は技術職、つまり職人です。
職人にとって、道具は命同然に大切なものです。

出来れば、優れた道具を手に入れた方がいい。
しかし、しょせん道具は道具。
いくら優れた道具でも、手に入れただけで使わなければ、宝の持ち腐れです。

まずは、使ってみること。
使って使って、使い込んで、使い慣れること、使いこなすこと。
そして、常に手入れをして、磨き上げること。
それが、必要不可欠です。

少し考えれば、当たり前のことです。
プロの職人なのですから。

でも、ほとんどの人が道具を手に入れただけで、満足します。
あるいはちょっと使ってみて、なかなか思うような結果が出ないと「技術が悪い(道具が悪い)」と投げ出します。
そして、次々と新しい道具を欲しがります。
道具コレクターになるなら、それはそれでひとつの道ですから、否定はしませんが。

整体技術を学ぶ人が100人いたら、実際に使いこなせるようになるのは、そのうち数人です。
あとは、せっかく学んでも使いこなせず、そのうち忘れてしまう。
そんな人が大半であり、実にもったいない話です。

さらに申せば、使いこなせるようになっても、食べていけるかどうかは別問題です。
開業しても、技術力だけで食べて行ける人は、100人に数人程度でしょう。
大半の整体師は、副業のアルバイトをしたり、耳つぼダイエットをやったり、酸素カプセルを導入したり、あるいはサプリメントを販売したりして、売り上げの足しにして、やっと食べて行ってる(注:決してこれらを否定しているのではありません。これらはこれらで立派な生業であり、自分が善いと思うものはどんどん取り入れればよいと思います)。
そして、3年後には、9割以上の整体院が廃業している。
そのくらい、厳しい世界です。

これからプロの整体師を目指す方は、ぜひ心していただきたいと思います。

技術は道具である