【生き方を学ぶ整体塾】

金曜日から三日間、整体法講座を開講しています。

私共は、“生き方を学ぶ整体塾”を標榜しております。
生きることやいのちに真剣に向き合うことこそが、整体の仕事をする上で、最も重要なことだと考えるからです。

ひとつのいのちが誕生すること。
それは、奇跡とも言える、天文学的な確率だそうです。

例えて言うなら、“天から垂らした糸を、海底に置いた針穴に通すが如くこと”だそうです。
それほどまでにして授かったいのちに、私たちはどれだけ感謝し、いのちを大切に生きているでしょうか。

現代日本の社会は、表面的には、ものやサービスにあふれ、とても豊かで平和に見えます。
しかし、少し注意深く観察すれば、決してそうではないことがわかります。
私は、現代ほど、いのちの重さが軽くなってしまった時代は、かつてなかったと感じています。

たとえば、日本には年間に3万人の自殺者がいると発表されています。
異常な数字ですが、これは真実ではありません。
それを遥かに上回る11万人が自殺しているのが、どうやら真実のようです。
どう考えても、異常過ぎます。
本当の数字が表に出ないことにも、大きな違和感を感じます。

しかし、考えてみると、納得のできる数字でもあります。
周囲を見渡しても、生き辛い人、生き苦しい人が、たくさんいるからです。
たとえば、通勤電車の中は、生気のない人ばかりに見えます。

働くことに、心からの喜びと幸せを感じている人が、どれだけいるでしょうか。
毎日、ワクワクしながら、生きている人がどれだけいるでしょうか。

起きている時間の多くを占める“働くこと”。
働くことは、お金を稼ぐため、生活を支えるためでしかない。
仕事はしんどいもの、我慢してこなすもの。
そのように考えている人が、大半ではないでしょうか。

かつての私が、そうでした。
家族を養っていくためには仕方がない、そう思って会社に勤めていました。
将来に、まったく希望はありませんでした。
毎日、死にたいと思って暮らしていた時期が、10年くらい続きました。

整体の仕事とは、そのような中で出逢いました。
それまで、整体師として生計を立てることなど、まったく考えもしませんでした。
整体院へ行ったこともないし、業界のことも知りませんでした。
もちろん、独立自営も、初めの経験でした。

ただ、技術の素晴らしさに驚嘆し、師匠の想いと志に感動しました。

この技術を身につけたい!
この人に学びたい!
これしかない!
やるなら、いましかない!

そんな想いで飛び込みました。

当たり前ですが、苦労と困難の連続でした。
それまでの人生では味わえなかった、屈辱、挫折、絶望を味わいました。
家族には、死んでお詫びする以外にない。
そう思ったことも、一度や二度ではありません。

でも、想いと志があれば、道は開けていくものです。
諦めなければ、何とかなるものです。
多くの人に助けられ、支えられ、何とか生き延びて参りました。

思えば、人生に苦労や困難はつきものです。
時として、絶望のどん底に突き落とされることも、あります。
もうこれ以上は無理と思うことも、あります。

それでも立ち上がり、前を向いて歩く。
その繰り返しの中で、人は気付き、学び、成長するものだと思います。
そして、成長することこそ、生きる喜びの本質だと思います。

考えてみれば、心身の深刻な不調や病気、あるいは痛みも、同じだと思います。
手早く痛みをとればいい、ただ治せばいい、そういうものでは断じてないと私は思います。

不調、病気、痛みをきっかけに、何かに気付いてもらう。
いのちの力の素晴らしさを知ってもらう。
生活や生き方を見直し、よりよい人生を歩む一助としてもらう。

整体師とは、そのための「指導者」であると、私は考えております。

いわゆる治療院業界では、異端な考え方だと思います。
そのためでしょうか、批判や非難も多く受けます。
かつての友人や門下生が、誹謗中傷を流布することも、少なくありません。

それでも、私は自分の信じる道を歩む。
最高を目指し、最善を尽くす。
なぜなら、それが自分の最高の生きる喜びだからです。

整体法講座の門下生たちは、そんな私の想いに共感して集まってくれた、大切な同志です。
また、家族も同然です。

昨日は、ちょっとした“事件”がありました。
しかし、門下生のみなさんの深い愛のおかげで、事件は素晴らしい学びとなりました。
みなさんに、心から感謝をいたします。

こうやって、人生をかけて、共に生き方を学ぶ講座の時間は、至福の時でもあります。
本日も、よろしくお願いいたします!