【“あり方”を問う】

先日、収録したDVD教材。
この内容を詰めるにあたって、いろんなことを考えた。

テクニックやノウハウ以前に、必要なもの。
これなしには、何も積み上がらない、とても重要なもの。

それは、何か。
私は、“あり方”だと考えた。

“あり方”とは、

「正しい存在の仕方」
「とるべき立場、スタンス」

だと私は定義をしている。

たとえば、宿泊施設を考えてみよう。

一泊5万円の高級シティホテル。
それに対し、一泊5,000円のビジネスホテル。
同じ宿泊施設でも、その“あり方”はまったく異なるはずである。

海辺に立つリゾートホテルと、京都の老舗旅館。
これまた、“あり方”が異なる。

また、同じリゾートホテルでも、立地や規模によって、“あり方”は異なる。
さらに言えば、同じような規模であっても、オーナーの想いや方針で、“あり方”はまったく異なってくるはずだ。

そして、“あり方”によって、建物などの施設、内装や家具や設備、従業員の服装や接客方法など、経営や運営の内容が決まってくるのだと思う。

しかし、私たちの業界を俯瞰すると、“あり方”が論じられることは、ほとんどない。
大半の者が、“整体院”や“治療院”という大枠の中に安住するに留まり、枝葉末節のテクニックやノウハウばかりを追いかけている。

そして、その想いを訊ねてみると、

「患者さんの痛みや苦しみを取り除き、笑顔になってもらいたい」
「日本中を笑顔であふれさせたい」

などという、模範回答のような言葉しか返って来ない。

これは、宿泊施設で言えば、

「お客さまに快適に過ごしていただきたい」

というようなものであり、当たり前のことを言ってるに過ぎない。
しかも、大半の者は、それにすら気付いていない。

甘い。
絶望的に、甘い。

だから、三年以内に9割以上の者が廃業するのだ。
だから、この仕事だけで食べて行ける者が、100人に一人もいないのだ。

テクニックやノウハウは、薬に似ている。
その場は、ラクになるかもしれない。
しばらくは、それでしのげるかもしれない。
しかし、あくまでも対症療法だ。

一生、薬を飲み続けるのか。
薬に依存し続けるのか。

植物の成長を支えるのは、土壌と根っこである。
私たちの成長を支えるのは、生き方と心である。

生き方を磨き、心を育むこと。
それを怠ってはならない。

そして、生き方を磨き、心を育めば、自ずと“あり方”が決まってくる
そうやって、自らのあり方を問い続ける、魅力ある個人事業主が増えることが、社会を変えていく原動力にもなると思う。

このDVD教材で、私はひとつの整体や整体師の“あり方”を提案した。
これに従えということでは、断じてない。
もちろん、テクニックでもノウハウでもない。
私の提案をヒントに、ぜひ自分自身の“あり方”を問うて欲しいと切に願うのだ。

考えてみて欲しい。
私たちの市場は、事実上、無限大なのだ。
年間、40兆円もあるのだ。
その半分だとしても、20兆円だ。

困っている人、苦しんでいる人は、山のようにいる。
ぜひその人たちにリーチしようではないか。
力を合わせて、たくさんの人に、本当のことを伝えていこうではないか。
そして、日本をよい国にしようではないか。