【佳き日に】

一昨日、三重県の内山 透先生が、一年間の総合講座を修了いたしました。

人生を懸けて、私のもとへ整体を学びに来る者たちは、想いと志でつながり、共にこの道を歩んでくれる、とても頼りになる同志です。
悲喜こもごも、さまざまなことを分かち合う、家族同然の存在でもあります。

私は会社員時代、多くの疑問や矛盾を感じ、常に恐怖や不安を抱え、日々の虚無感や自分の無力感に苛まれ、人生に対してまったく希望を持てませんでした。
それは、決して企業や社会が悪いのではありません。
自分自身に真摯に向き合うことなく、自分に嘘をつき、自分を誤魔化して生きて来た結果、そうなったのです。

そんな私でも、人生を大きく変えることができた。
50歳手前という年齢で、それまで積み上げたものを捨てても、やり直しができる。
どんなに絶望的な状況に陥っても、諦めずに前を向いて歩み続ければ、道は拓かれていく。
他からどんなに批判をされようとも、正しいことを追究、実践していれば、必ず誰かが応援してくれる。
そして、山あり谷ありの道程にこそ、生きる真の喜びと幸せがある。

私が、講座運営を通じて伝えたいことは、それに尽きるといっても過言ではないでしょう。
内山先生は、そんな私の想いを、人一倍理解してくれたのだと思います。
彼も大きな企業に勤務する会社員だったので、私と似た経験と思いを味わったためではないかと思います。

内山先生とは、この一年間、たくさんの時間を共に過ごさせていただきました。
講座はもちろんのこと、私たちが主催するイベントのほぼすべてに参加し、米国セドナにまで同行をしてくれました。
そうやって、私が伝えたいことを、必死になって体得しようと努めてくれました。

そんな内山先生の修了の日、私は万感の想いで臨みました。
しかし、私以上に、他の門下生たちが内山先生に対して、強い想いを抱いていたことを知りました。

「与えること」

私は講座でその大切さを説きますが、内山先生はまさにその実践者でした。
彼は、生来、他を思いやることのできる人間だったのでしょう。
どうやったら相手のためになるか、相手が喜ぶか、常にそれを考え、先回りして行動するその姿は、他の門下生たちに大きな感動と影響を与えました。

一昨日は、遠方の修了生たちも、駆けつけてくれました。
他の修了生を始め、彼を応援してくださる多くの方が、心のこもったメッセージを届けてくれました。
それを一冊の写真集にまとめるという、労をとってくれた門下生もいました。
与え合い、喜び合う門下生たちの姿を見て、私も心底嬉しく、幸せに思いました。

内山先生、一年間、本当におつかれさまでした。
そして、ありがとうございました。

佳き修了の日を共に迎えられたこと、心から嬉しく思います。
しかし、いつもお伝えする通り、修了はスタート地点でもあります。
これから、プロとして大きく羽ばたき、たくさんの人に生きる喜びを伝えて欲しいと思います。
共に、いっそう精進して参りましょう。
これからも、何とぞよろしくお願いいたします。