【抗わず、汚さず、偽らず】

これは、盟友である岡本 よりたかさんが、「自然に寄り添う新しい生き方とは?」と訊ねられて答えた言葉である。
まさに箴言であり、私もよく引用をさせていただく。

※静岡開催[自然に寄り添う新しい生き方へ」2/14(土)
https://www.facebook.com/events/999604640111161/

私たちにとって、いちばん身近な自然は、自分の身体である。
整体では、主として身体に向き合うのだが、この箴言は整体にもそのままあてはまる。

以下、それぞれについて述べてみたい。

<抗わず>
病気、痛み、症状。
これらはすべて、命の営みの乱れであり、治癒反応である。
命の訴えでもある。
身体は、絶対に誤ることはない。
与えられた原因に対し、素直かつ正確に、結果を出し続ける。
命を守るために、懸命に働き続ける。
それだけのことだ。
しかし、多くの人は、病気、痛み、症状を忌み嫌い、抗い、複雑化させ、長引かせている。
その結果が、年間40兆円もの医療費である。

<汚さず>
私たちは、不自然なもの、人工的なものに囲まれて暮らしている。
知らず知らずに、自然界に存在しないものを摂取している。
その最たるものは、薬である。
石油を原材料とする合成新薬は、身体を汚し、命の営みを乱し、自然環境を汚す。
それでも、大半の人は、即効性のある薬を欲しがる。
医師の言われるままに、子どもに予防接種をうち、薬を飲ませる。
その他、農薬、化学肥料、遺伝子組み換え食品、食品添加物など、私たちの身体を汚すものが蔓延している。

<偽らず>
多くの人が、自分を偽って生きている。
お金を稼がねばならないから、家族を養わないといけないから、住宅ローンを払う必要があるから、老後に備えねばならないから…
さまざまなものにがんじがらめになり、やりたくもない仕事に従事している。
我慢が慢性化すると、自分を偽っていることにさえ、気付かなくなる。
その結果、社会は、心を病み、身体を病む人ばかりになっている。

「健康とは、単に身体のことではなく、単に病気でない状態のことでもない。健康とは、体・心・魂が、ひとつの生命体として調和し、リズムを保っている状態のこと。魂が、心と身体を通して自由に表現されている状態である」
―――ドクター ランドルフ・ストーン(ポラリティセラピー創始者)

地球上で唯一、自然に背き、自然に抗い、自然に手を加える能力を授かった。
ここ数百年ほど、その能力を存分に発揮し、自然を汚し、蹂躙し、破壊し尽してきた。

その結果が、現代の社会である。

アスファルトで覆われた大地。
汚れた水。
不自然な食べもの。
身の周りに蔓延する電磁波や化学物質。
澱み、濁った空。

さらに、窮屈な社会システムや常識、規律等が私たちを縛り付ける。
私たちは、次々と要らないものを作りだし、大量の食物を廃棄し、ゴミの山を積み上げる。
作り出された危機に怯え、私たちは駒となり、競い、争い続ける。

自らの手で、自らを生き苦しくしている。
私たちの多くは、そのことに気付こうとさえしていない。
気付いても、諦め、惰性に身を委ねている。

傲慢、かつ愚か極まりないと思う。

これが、文明か?
これが、豊かさか?
これが、平和か?

私は、違うと思う。

真の文明は、自然との調和から生まれる。
真の豊かさは、自然との調和から生まれる。
真の平和は、自然との調和から生まれる。

私は、そう思う。

だから、私たちは、自然に還らねばならない。
自然に対する敬意と畏怖の気持ちを取り戻し、謙虚にならねばならない。
自然を愛し、自然に感謝し、日々を生きねばならない。

できるだけ抗わず、汚さず、偽らず、自然と寄り添う新しい生き方を模索し、実践する。
そのヒントが、整体にあると考えている。