自然形体療法

山田 洋先生(故人)が創始された療法である。

私は、自然形体療法を修得したわけではない。
私の師匠である故 村松幸彦先生は、前述の山田先生の高弟であり、自然形体療法を基盤に回復法心躰法を創始された。
ゆえに、私の整体法のルーツは、自然形体療法にあると思って間違いないだろう。

詳細は、下記の書籍を参照されたい。

以下、同著の「はじめに」から引用をする。

人間の身体は素晴らしい自然治癒力をそなえている。私が創始した自然形体療法はこの力を最大限に活用するものだ。原因不明とされるものも含め、さまざまな身体の不具合に効く。用いるのは己の手のみ、薬物や磁気などには一切頼らない。まったく痛みを与えず、それどころか嫌な刺激をともなうことさえない。症状にもよるが、即効性がある.しかも一時的に痛みをごまかすようなものではなく、根本的な原因を取り除くことができるため、再発の可能性は低い。ないに等しいほどだ。

生体には奇跡的なまでの回復力、復元力がある。不具合の原因を探り当て、それを取り除いてやりさえすれば、身体の力が発揮され、根本治癒がもたらされるのである。

これに対して現在の医療の主流である西洋医学をベースとする現代医学は人間の生体の復元力をあまりにも軽視している。そして真の原因を追究するより、表面に出てくる症状ばかりに注目し、これを何とか取り除こうと薬に頼る。薬学で対処しきれないときは外科手術で生体の一部を切り取ってしまう。とにかく悪いところを取り除けばいい、という発想だが、一時的とはいえ投薬や手術は身体に悪い影響を及ぼすことになる。忠者の身体にしてみれば一種の攻撃にほかならない。

人間が人間に対して用いるほとんどの技は攻撃の性格を有する。西洋医学に限らず、カイロプラクティックや整体といった脊椎徒手療法しかり.身体の歪みを不調の原因とみなし、これを解消しようとするものだが、その技は力や速さに頼るものであり、ときには身体を破壊してしまうこともある。

自然形体療法は整体やカイロプラクティックと同じ物理療法だが、それらとは思想や理論がまったく異なる。

自然形体療法の施術を初めてご覧になった方は、これで治るのか、と驚かれるであろう。一見すると、ごく軽く触れて身体を動かしたり、軽く牽引したりするだけ。時間にして十分間程度に過ぎない.現代医学の治療に慣れている人には、まるで奇跡のように映るかもしれない。

本書で自然形体療法の理論を解説していくが、かいつまんで言えば、自らの手を用いて相手の身体にどうすればよくなるかアドバイスをするのだ。人間の身体はつねに治りたがっている。

この意思を刺激してやれば、身体に無理な力を加えるまでもなく、歪みはなくなり、痛みが消失する。打撲や捻挫も、その場で痛みが消え、脚を引きずっていた人が歩けるどころか、走れるようになる。これまでの医学の常識では考えられないことが起きるのである。

世の中にはさまざまな身体の不調に苦しむ方が大勢おられる。いまだに何が原因なのかはっきりしない諸症状は少なくない。私は過去にさまざまな職業を経験し、それらを通してありとあらゆる痛みに苦しめられた。病院に行き、痛み止めの業を処方してもらっても、症状を一時的にごまかしているに過ぎず、本当に治ったわけではない。治療を受けても根本的な解決にならない。そういう失望を幾度も経験するうち、私は対症療法中心の現代医学に飽き足らない思いを持つようになり、あるきっかけから、まったく新たな治療法の確立に挑む道に入ることになった。以来、原因不明として片づけられるさまざまな身体の不具合や痛みの原因を捜し求め、どうすれば苦痛や痛みを取り除くことができるか、これを徹底的に追求してきた。これらを集大成し、確立したのが本書でご紹介する自然形体療法である。

「自然」と名づけたのは、生体にとって自然な方法であり、無害で、安全な療法だからだ。身体に危険や危害を加えず、痛みも苦痛も与えず、その場で、しかも短時間で直す。

私はさまざまな不調に悩む多くの人たちと接する中、この治療の理想の形を追い求めてきたが、本書の執筆中、自然形体療法は治療面で革命的変革を遂げることになった。

新たな治療法はまさに離れ業だ。身体に軽く触れるだけ。刺激とはいえないほどの刺激で、頭のてっぺんから足の先まで全身、的確に治療できる。治療を受ける人は私が何をしたかまったく分からない。

二十年ほど前、究極の治療の確立を志して以来、このような治療ができれば素晴らしい、と思い描き、求め続けてきた夢のような方法に到達したのである。もちろん理論には科学的な裏づけがあり、なぜ直せるのか、合理的に説明することができる。理論に基づいて直すのだから元の痛かった状態に戻すこともできる。

世の中には現代医学の他、東洋医学、整体、カイロプラクティックなどさまざまな治療法があるが、そのいずれをもってしても完治が難しい、とされる症状は多い。頭痛、肩こり、筋肉痛、打撲、捻挫はもとより、難病とされるリウマチ、オスグット病、半月板損傷、五十肩の痛み、首痛、寝違え、背中の痛み、股関節症の痛み、大腿骨骨頭壊死、自蓋骨形成不全、変形性膝関節症、顎の痛み、歯の痛み、変形性股関節症、足底の痛み、足首の痛み、腫れ、浮腫、眼粘疲労、日の痛み等、数え上げればきりがないが、これらすべての根源的原因は自然形体療法の理論であれば解明しうる。自然形体は科学であり、つねに正しい答えが出る。一たす一は必ず二になるし、一ひく一は必ず○になる。

自然形体療法を知らないがため、身体の不調に苦しんでいる方々はあまりにも気の毒だ。一人でも多くの方が痛みや悩みから一刻も早く開放されることを願いつつしたためたのが本書である。

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