【手を育てる】

手を育てること。
これは、整体師を育成する上で、私が最も重要視していることである。

手は、すべてを語るからだ。
手は、嘘をつくことはできないからだ。

手から伝わるもの。
それは、ごまかしようがないのだ。

だから、私たちは、手を育てねばならない。

百聞は、一見にしかず。
百見は、一触にしかず。

たくさんの人に、触れさせていただくこと。
真心を込めた施術を、1回でも多く経験すること。

それ以外に、手を育てる方法はない。

あちこちのスクールやセミナーに通い、どんなに素晴らしいテクニックを学んでも、経験を積まずして、手を育てることはできない。
つまり、整体師としての成長もない。
当たり前のことながら、整体を生業にもできない。

だから最初は、ひとつの技術に絞り込むことを強くお勧めする。
よそ見せず、あれこれ手を出さず、そのひとつをとことん使い倒すことである。
しのごの言わず、場数を踏むことである。

しかし、多くの者は、世に遍く存在する誘惑に負ける。
幸せの青い鳥を追いかけ、彷徨う。
9割以上の者が3年以内に廃業してしまうのは、このあたりにも原因がありそうだ。

写真は、門下生の一人、安保 曜先生の手。
彼は、すでに10年のキャリアを積んでいるにも関わらず、とても素直で謙虚である。
つまり、最も伸びる素養を備えているということだ。

今年中には、山梨で活動を始めるであろう。
とても楽しみである。